■椎葉村の野生茶
平家の落人伝説が残る、九州山地の秘境、宮崎県椎葉村に自生する野生茶。自生する茶葉を手で摘み取り、薪をくべた鉄釜で手で炒り、手で揉んで作られる、昔ながらの手作りの希少なお茶です。
茶葉に熱湯を注ぐと、薪の火に焙られた野生の葉の匂いがゆっくりと立ちのぼります。
産地:熊本県
椎葉村は九州山地の秘境の地ともいわれる山奥にあります。
古くから歌い継がれている民謡“ひえつき節“は壇の浦の合戦後、平氏追討に派遣された那須大八郎と平家の鶴富姫との悲恋を歌った歌ですが、その舞台となった村です。
その歴史の里で、代々引き継がれている製法で作られたこのお茶は釜炒り製法。
薪をくべた鉄釜で丁寧に炒っては揉みを繰り返します。
茶葉に熱湯を注ぐと、薪の火に焙られた野生の葉の匂いが、奥深い山の匂いと共に立ち上ります。目を閉じて、静かにしみじみと味わうことの出来るお茶です。
私の知る野生のお茶の多くは力強いものですが、このお茶は、山中のふくよかな味わいと、作り手が時間を惜しまず仕上げた丁寧さとが柔らかな甘さと感じることが出来る、優しい野性のお茶です。
在来の昔ながらのお茶の木で、全てが手作りというお茶は今では稀なお茶で、このお茶も、わずかに作られる量を分けて頂けたという量だけの販売です。
少量販売となりますが、日本のお茶にもこのようなお茶があることを知っていただいて、少しでも多くの方にお楽しみ頂きたいと思っております。
<淹れ方の一例>
急須の底が隠れる程度の茶葉を入れ、熱湯を注ぎ、
茶葉が少し開くまで待ってから注いで下さい。
茶葉を直接耐熱グラスに入れ、熱湯を注ぎ、茶葉がジャンピングするのを眺めながら飲むのも、美味しい飲み方です。