作り手の柴本さんは、静岡県牧之原市に広い茶畑をもつ茶農家3代目の若手。茶樹を育てて収穫するだけでなく、自らの手で美味しいお茶を作ることを志し、学校卒業後に宮崎県にある釜炒り茶の生産者の元で、お茶作りを学びました。
数年前、柴本さんから「お茶を扱ってもらえませんか」と連絡が入ったのが知り合うきっかけ。当店のHPに、「無農薬の少し発酵したお茶が並んだら素敵だなぁ、と思ったので、連絡してみました。」と言われ、思わず笑みになりました。飾らないお人柄です。
柴本さんはお茶を見極めながら、緑茶、烏龍茶、紅茶、様々なお茶を作ります。日本茶という定義はありません。自ら思うところの美味しいお茶を目指して、失敗して経験にして、予想以上の美味しいお茶を作って、を繰り返しながら、どんどん美味しいお茶作りの幅を広げています。これからの将来に頼もしい若手です。
柴本さんは色々なお茶を作りますが、当店では2種類のお茶を用意してもらうことにしました。その1つが、焙煎の美味しさを楽しめるこのお茶です。一般的によく飲まれている<やぶきた種>は、日本の緑茶(蒸し茶)を代表するお茶の品種ですが、このお茶は、全く違う美味しさを楽しむことが出来ます。
台湾の木柵鉄観音のような、柑橘系のフルーツの甘さと香ばしい焙煎の味わい。このお茶の畑は、無農薬・無肥料。さらにその環境の影響もあり、葉の成長がとてもゆっくりとのことです。ゆっくりじっくりと育った葉は味わい深く、雑味のない余韻は長く楽しめます。
焙じ茶とはまた違った味わいのある深焙煎茶は、ひと息のお茶にも、食後にもおすすめです。お茶作りが楽しくてしょうがない柴本さんがつくる静岡の新しいお茶をぜひ、お試し下さい。
<淹れ方の一例>
急須の底が隠れる程度の茶葉を入れ、少し湯冷ましした熱湯を注ぎ、茶葉が開くまでゆっくりと待ってから注いで下さい。